こんな症状で困っていませんか?
腰の痛みは様々な種類があります
一言で「腰痛」といっても、様々な症状があります。
・スターティングペインといわれるように、運動し始めるときに痛みを感じる腰痛
・持続的に運動をし続けた後に痛みが増悪して感じられる腰痛
・どんな時も痛みが強く変わらないと感じられる腰痛
これらの腰痛は、身体の中で起こっている様々な要素が元となり発生しています。
その原因を把握するためにも選手の症状をしっかり分析し、身体の内力作用がどのように働いているかを確認することがとても大切です。
腰痛の中でも、アスリートの選手にとって身近で注意すべき腰痛として、
「腰椎すべり症・腰椎分離すべり症」
「腰椎椎間板ヘルニア」
「筋・筋膜性症腰痛」
「急性腰痛(ぎっくり腰)」
などが挙げられます。
詳細な症状や原因については、このあと個別に説明しますが、一般的な原因として、
○ どちらかの肩が動きにくいランナーが、体幹を片側にひねって腕をふる。
○ 股関節が曲がりにくく体幹が傾いている。
○ 片側の肩が著しく下がっていると左右上肢のバランスが悪くなり、体幹へのストレスが大きくなる。
などの身体のバランスの崩れによる偏った動作が挙げられます。
これらのバランスの崩れに共通していることは「体幹」です。特に頸椎から腰椎までの脊柱の動きが起因しています。
体幹は背部・腹部が均等に動くことが理想
体幹の動きは、上部(背部)と下部(腰部)が均等に動くことが理想です。腰痛を抱えるアスリートの多くは背部の動きが固く、腰部で動作をまかなっています。
投げる・走るなどの運動動作でも、理想的な動きが「背部:50%、腰部:50%」なのに対し、肩こりなど胸郭上部の動きが固くなっている場合「背部:20%、腰部:80%」となり、背部の動きが固いと腰部に多くの負担がかかり、オーバーユースとなります。
このとき、腰椎に負担がかかり骨折すれば「すべり症」、腰椎の椎間板に圧力が加わり、飛び出せば「腰椎椎間板ヘルニア」。また、腰部の関節部分に100%以上の負荷が一瞬もしくは持続的にかかることにより「急性腰痛(ぎっくり腰)」や「筋・筋膜性腰痛」になります。
高齢者の腰痛
最近は高齢者のスポーツ愛好者も多く、「脊柱管狭窄症」「骨粗しょう症」「圧迫骨折」が原因で起こる腰痛にも注意しておく必要があります。
高齢になるとこれらの症状を引き起こすリスクが高まり、高齢のアスリートの方は自分の身体を過信せず十分注意しながらスポーツを楽しんでいただければと思います。
内科的要素からくる腰痛
内科的要素からくる腰痛もあります。このような腰痛は、安静時でも痛みが継続することが多く、「腫瘍性腰痛」「感染性脊椎炎」などの可能性もあります。
これらの腰痛は運動器疾患とは異なりますので、最寄りの病院で早期受診をオススメします。